研究授業②

1年生の数学の授業。
本校の数学科は、適性や能力を見極めるため、1年生の1学期は学年を4分割し、それぞれ少人数単位の授業を行います。そして2学期から、成績や希望等を考慮して速習クラスを編成し、授業が進んでいきます。
この学級、1年A,B,C組の各学級出席番号1~7番の21人で編成されたクラスで、大半の生徒の名字がア行という不思議な構成です。

この日のテーマは「4つの4と、+,-,×,÷,( )を使っていろいろな数を作ろう」。
たとえば、「4+4+4-4」とすれば「8」ができます。
今日は「-10」から「10」まで21個の数を作ることが学習課題です。

まずは「0~5」までの6個の数を作ります。
先生は21人を6つのグループに分け、各グループに教室の前・後・横にある黒板を1つずつ割り当て、それを使って考えるよう指示しました。

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この6個の数は、各グループクリアしたところで、いよいよ残りの15個を作っていきます。 最初は黒板の前で一緒に考えていたグループも、そのうち黒板から離れノートとにらめっこする人が出てきました。

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終わりのチャイムが鳴る頃、1人の生徒が声をあげました。
「先生!!、10が出来たところがありましたか?」
21個の数のうち、10と-10を除いた19個はクリアできたようですが、この2個はなかなか辿り着きません。黒板から離れていたのは、みんな「10」を考えていたのです。
「10もできるよ。でも教えないから、自分で考えてね」
先生はこう言って、授業を締めくくりました。
授業が終わった後、生徒たちは自クラスの友達に相談、この日は1日中、1年生の教室に「4」という数字が飛びかっていました。

この授業、一見クイズのような感じが受けますが、実は、知らず知らずのうちに四則計算の練習をしたのでした。